外から猫ちゃんを保護された方・外に出る猫ちゃんを飼われている方へ
⚠️SFTS(重症熱性血小板減少症候群)にご注意ください⚠️
外から猫ちゃんを保護された方・外に出る猫ちゃんの飼い主さまへ
「重症熱性血小板減少症候群」(SFTS)の感染報告が増えています。
外に出る猫ちゃん・外から保護した猫ちゃんの診察をご希望の場合は病院に来院せず、
必ず事前にお電話ください。
なお、受付の際などに、猫ちゃんの飼育環境(外に出るかどうか)を確認させていただいております。質問が重複する場合がございますが、ご協力をお願いいたします。
いままで通常通りの診察を行っていた猫ちゃんも、外に出る場合は来院前に必ずお電話・ご申告ください。
動物・ご家族・スタッフ全員の命を守るための対策です。ご理解とご協力をお願いいたします。

○SFTSとは
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、マダニが媒介する致死率の高いウイルス感染症です。
犬や猫を含む哺乳類に感染し、特に猫では重症化するケースが多く、猫での致死率は約60%というデータもあります。さらに、この感染症は人にも感染する「人獣共通感染症」であり、人での死亡例も報告されています。
主にマダニに咬まれることで感染しますが、感染した動物の唾液・血液・排泄物なども感染源となります。このため動物病院では、他の動物や人への感染対策のため、特別な体制での対応が必要になります。
SFTSについて詳しくは知りたい方は厚生労働省のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html
○マダニやノミの予防をしているのだけど・・・
一般的に、ノミ・マダニの予防薬と言われている薬は、動物に咬みついたノミ・マダニを駆除するお薬です。動物に咬みつくことを防ぐことはできません。SFTSは咬みつかれた時点で、感染する可能性があります。
ただし、感染症を広げないという点で、駆虫薬は有効です。定期的な投薬をおすすめいたします。
外に出る猫は、野生動物やマダニと接触する機会が多く、SFTSだけでなく、他の感染症やケガのリスクも高まります。SFTSの最も有効な予防は「完全室内飼育」です。
ペットたちの健康、そして飼い主様ご自身とご家族の健康を守るために、「完全室内飼育」を徹底しましょう。
○動物病院での対応:「特別な感染症対策」が必要です
・他の飼い主さま、動物との接触を避けるため、来院時間の調整をさせていただきますので、来院前に必ずお電話ください。
・専用スペース(隔離室)で診察します。指示があるまで、猫ちゃんを院内に入れず、車内で待機してください。また、猫ちゃんは必ずキャリーや洗濯ネットに入れてお連れください。
・スタッフは、マスク・手袋・ガウン・ゴーグルなどを着用して対応します。
参考「獣医療関係者の感染防御対策にご理解ください(pdfファイル)」
・通常の診療に加え、感染症対応費用が加算されます。ご理解ください。
これらの対応は、動物、ご家族、スタッフ全員の安全のためにおこなっています。
どうかご理解とご協力をお願いいたします。
○保護された方、飼い主さまの感染対策もおすすめします
前述のとおり、SFTSは人にも感染する「人獣共通感染症」であり、人での死亡例も報告されています。疑いのある動物に接触される際は、マスク、手袋(2重がよい)、ゴーグル、捨ててもいい衣服などを着用し、触れた可能性のある場所は、アルコールや台所用洗剤で消毒することをおすすめします。
もちろん、SFTSだけでなく、パルボウイルスや猫エイズ・猫白血病など、外に出る猫ちゃんは完全室内飼いの猫に比べて、感染症のリスクは非常に高いです。
外に出る猫ちゃんが体調不良がみられる場合は、安易に触れたりせず、感染症のリスクを念頭に置いた行動を心掛けてください。